1,000万円のベンツを新車購入する節税効果
企業の1年間の業績をはかる「決算」。
赤字になるよりも黒字になった方がいいに決まってますよね。
でも「黒字決算だ!」と喜ぶのもつかの間、すぐに「納税」が待ちうけています。
現在の日本の場合利益の約4割程度が税金として持って行かれることになります。
儲かっているのだから税金を払うのは当然の義務? ...なのかもしれませんが、できるだけ納める税額は低く抑えたいというのが当たり前ですよね。
だからといって売上を過小に申告したり、経費を水増しすることは『脱税』です。加算税や場合によっては重加算税、延滞利息などなど手痛いしっぺ返しを食らいます。内容によっては逮捕&起訴なんてことにもなりかねません。
しかし『脱税』と『節税』は違います。制度や仕組みを正く理解し、少しでも利益を圧縮して納税額を抑えていくこをは経営者としてとても大切なことです。
では実際の節税策を考えてみましょう。一番簡単なのは「買い物」をして、損金をつくるということです。
もちろん、必要ないものを買うというのは愚の骨頂ですし、貯蔵品や棚卸資産として資産計上されてしまうものを大量に買っても意味がありません。
また、車を含めた高額なものは購入額が全部損金になるわけではなく、固定資産として資産に計上した上で、決算時に「減価償却」することになりますので注意が必要です。決算前にあわてて買っても償却費はほんのわずかになってしまいます。
しかし、全額が損金にならなくても高額なものほどその期で損金となる減価償却費は高額になりますよね。
高額なもので、利用価値の高いものと言えばやはり車ではないでしょうか?
そして、どうせ買うなら社長としてのステータスも向上するベンツなどの高級車に乗りたいですよね。
では具体的に考えてみましょう。
仮に3月決算法人が期首となる4月に1,000万円のベンツを新車で購入した場合です。(わかりやすくするために取得にかかった諸々の費用込で考えます)
現金、ローンなど支払方法が何であれ、このベンツは固定資産の車両運搬具として資産計上されます。
そして翌年の3月、決算処理をする際に減価償却費を計算し、経費として損金処理することになりますがその金額はいくらになるでしょう?
答えは4,170,000円です。
新車の場合、法定耐用年数は6年ですので6年間かけて償却していくことになります。全額が損金にはならないものの、元々の金額が1,000万円と高額ですので約4割でもこれだけの金額が損金計上できることになります。
ちなみに6年間の償却額は下記のように推移します。
1年目:4,170,000円
2年目:2,431,110円
3年目:1,417,337円
4年目: 826,307円
5年目: 577,623円
6年目: 577,622円
徐々に償却費は減少していきますが、初年度の節税効果は抜群ですネ。
仮に決算時の利益が1,000万円だった場合、納税額は約280万円です。
しかし上記の417万円の減価償却費を計上して利益が583万円だった場合の納税額は約143万円となります。
税額にして約137万円低くなったのです。
車両価格の高い高級車だからこその大きな節税効果ですネ。
きっちり利益を上げて、会社の経費でベンツを買おう!
※納税額の計算は簡易的なシミュレーションに基づいた金額です。その時の税制や都道府県民税率の違いによって納税額は変わります。上記の計算は節税額を保証するものではありませんのでご了承下さい。