減価償却は実際に稼働した月から処理できる

減価償却は実際に稼働した月から処理できる

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ilm14_ab01009-s.jpg節税効果を高める上で、減価償却の制度をしっかりと理解し上手に活用することが大切です。


減価償却はその資産を使用開始した時点からの開始です。


例えば、3月決算の会社が6月に機械を購入して稼働し始めたとします。


しかし代金の支払は9月だったとします。


帳簿では支払のあった9月にその仕訳を記帳しますが、その際に固定資産台帳への記載も9月にしてしまうということがあり得ます。


減価償却のスタートが9月なら7ヶ月分の原価償却しかできませんが、6月からなら10ヶ月分です。購入金額が高ければ、たかが3ヶ月分といっても償却額はバカになりません。


経理上の支払年月日ではなく、実際に稼働した日を減価償却のスタートとすることが大切です。


次に、固定資産として資産計上しなければならないものとすぐに経費処理できるものを個別に分けて処理するという方法です。


例えば車を購入した場合、車両本体以外に様々な項目の明細をもらいますよね。その内、車両本体やオプション等はもれなく固定資産に含まれますし、重量税や自動車税、自賠責保険料等は別途「租税公課」「保険料」で経費処理します。


ここで重要なのが取得価格に含めるかどうかを選択できる項目があるということです。


具体的には「自動車取得税」と車庫証明や検査登録料などの「法定費用」とローンを組んだ場合の「割賦手数料」です。


大きな金額ではないかもしれませんが、固定資産の中に含めずにすぐに損金処理することができるので、当期の節税効果を高めたい場合には有効です。

(ただし割賦手数料については当期分だけですのでご注意ください。)


次に、工場や事務所などの不動産を購入した場合の節税です。


土地は減価償却の対象ではありませんが建物は減価償却の対象ですので少しでも建物の割合を大きくした方が有利です。


土地と建物を別々に購入している場合なら、どちらもしっかりとした明細があるのでこの方法をとることはできませんが、中古の建物を土地付きで購入した場合などははっきりとした代金の区別がないという場合があります。


その場合は、相続税評価額や固定資産税評価額を用いて区分する方法が認められています。実際にシミュレーションをしてみて、建物の価値が高く判定される方法を選択して土地と建物の価値を決定することをお勧めします。


また、建物と建物附属設備を分けて資産計上することも節税効果を高める方法です。建物の償却期間は、鉄筋コンクリート造の場合事務所用で50年、店舗用で39年などとなります。


これに対して建物付属設備の耐用年数は、電気設備が6年または15年、給排水・衛生・ガス設備は15年、冷暖房通風ボイラーは13年または15年です。


建物よりも早く償却することができるのです。
早く償却できる=スピーディーに経費化できるということです。


新築物件であれば、細かな見積もり明細がありますが中古物件の場合は「一式」となっている場合も多いと思います。その場合は建物全体の価格の30%程度までなら建物附属設備として扱うことが可能です。


最後に、合法的に償却期間を短くする制度についてです。


これは税法が定めた償却期間に比べて、著しく短い期間しか使用できないという場合に、償却期間として定められている耐用年数を、国税局長の承認を受けて短縮できるという制度です。


この制度が適用されるのは...

 ・資産の材質または制作方法が一般的なものと著しく異なる
 ・資産のある地盤が隆起または沈下した
 ・資産が陳腐化した
 ・資産が使用される場所の状況によって著しく腐食した
 ・資産が通常の修理または手入れをしなかったことによって著しく磨耗した
 ・資産の構成が同一種類のほかの減価償却資産の構成と著しく異なる


上記のケースに当てはまり、その上で国税局長の承認を受けることができれば、国税局長の承認を受けた年数で償却することができます。しかしこの承認を受けるのはなかなか難しいというのが事実です。


しかし自社の資産がこれらの条件に当てはまるものがないかどうかを調べてみてください。


また30万円未満の少額資産に限って認められる損金処理などのように、時限的措置として特別な償却制度もあります。当てはまるものはもれなく適用を受けて節税効果を高めていきましょう。

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