後で買い増せるオプションは後回しにして節税
会社の経費でベンツを買う場合、減価償却の仕組みや特例などを上手に使いこなして節税効果を高めましょう。
ではまず減価償却と言う制度は、どういったものを買った場合に対象となるのでしょうか。
「10万円」というのが大きなラインとなります。
10万円未満のものであれば、購入したときに「備品消耗品費」などとして全額を経費にすることができます。
しかし10万円以上の場合は資産計上して耐用年数に従って減価償却費を計上することになるというのが原則です。
また「少額資産の特例」というものがあり、30万円未満のものについてはその期に全額を一括で償却できます。(これは時限措置ですが景気対策ということで延長を続けています。)
つまり簡単に言えば、30万円未満のものはその年に丸ごと損金にできるのです。
ではこんな場合はどうでしょう?
ベンツを買う際にオプションで28万円のナビを付けたとしましょう。その場合ナビの分だけを固定資産から切り離して少額資産の特例を利用して経費化することができるのでしょうか?
原則として答えはNOとなります。
通常、ナビなど様々なオプションを含めた販売価格で、一体のものとして納車されますよね。これを個別に切り離して、本体は固定資産、○○は少額資産とすることはできません。
しかし原則はNOですが、可能な場合もあります。それは車の納車日とナビの購入日が全く異なる場合です。
4月1日に納車され、その後6月にナビやドライブレコーダー等を購入した場合、その金額が30万円未満であれば一括して償却することは可能です。
だからと言って、「納車の際にタイヤはいらないから1ヶ月後にタイヤだけ持ってきて」と言ってタイヤの金額だけを一括償却するという方法は否認されますネ。
タイヤがなければ車は動かないものです。「一体をなしているもの」は切り離すことができないのが減価償却の制度です。
例えば会社にある「応接セット」の場合、仮にそれぞれ個別のソファやテーブルは30万円未満だったとしても「セット」としての総額で判断されます。
「応接セット」は個々のソファやテーブルが一体となって初めて機能するものだからです。
同じようにパソコン本体とディスプレイ等もバラバラに計上することはできません。「一体」としての金額で判断されます。
後で買い増したり、取り付けが可能なオプションはあえて納車日とは別な日に購入し、その分を丸ごと損金算入することも節税効果を高める一つの手段です。
※「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」は恒久的な措置ではありません。適用される期間や条件は各自ご確認下さい。